総合内科よわ医の貧弱ブログ

貧弱な総合内科医が好きなことを好きなように書きます。

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20歳の自分に受けさせたい文章講義、を読んでみた

はじめに

 今回は文章の書き方に関する書籍シリーズの第2弾ということで、古賀 史健さんの「20歳の自分に受けさせたい文章講義」という本を読んでみました。もう10年以上前の本ですが、学ぶべき点が非常に多かったです。なお、著者は「嫌われる勇気」という書籍の作者でもあります。有名ですね。

 

 

嫌われる勇気

 

 

 この本を読む前は、文章を書くことに関して以下のような考えを持っていました。

 

  • 文章を書くときは、よく考えてから書く
  • 文章を書く際は、そのテーマに詳しくなければいけない
  • 自分が頑張って書いた文章の良さは、きっと読者にも伝わる
  • できるだけ突っ込みどころのない文章こそ良い文章
  • 推敲は誤字脱字のチェックくらいでOK

 結果的にこれらの考えはすべて間違っていました。文章を書くこと初心者の私が、この本を通じて特に勉強になったことを中心にお伝えしたいと思います。

 

※いわゆる本の要約、ネタバレではありません。

 

文章をいきなり書いてはいけない

 文章を書く際に、何を書いてよいかわからなくて固まってしまうことって、皆さんも一度は経験があると思います。それでも書かなければいけないときは、そのまま無理やり文章を書いてみるのですが、我ながらひどい出来でした。

 

 筆者は、この文章を書く際に皆がつまづくであろう難題に明確な回答を与えてくれます。詳しい内容は伏せますが、簡単に申し上げると「自分の考えを自分でアウトプットする」というイメージです。筆者は”翻訳"という名前を付けていました。

 

 この"翻訳"を行うことで、ようやく文章を書くスタートラインに立つことができます。

翻訳を行わないで文章を書く、ということは自分で自分のことがわからないのに想いを伝えようとしていることに等しいのです。

 

 この翻訳を行う際に、専門的な知識は必須ではありません。むしろ専門的な知識がない方が、翻訳を経て文章を書くことで、読者にとってはわかりやすい文章になるチャンスがあると言えます。

 

読者への意識を持つことの重要性

 文章を読んでもらうためには、クオリティが高いもの書けば読者が付いてくると思っていました。ここでいうクオリティが高いとは、豊富な知識を用いて書かれたものであるとか、理路整然と描かれていて突っ込みどころがないものを考えてください。

これは間違いではないのですが、重要なことを見落としています。

 

 そもそも、文章は読者が読もう!と思わないと読んでくれません。基本的に我々は他人に興味がないのです。よっぽど権威があるとかその領域のプロであれば別ですが、読者の目を引くような工夫が必要になります。

 

 この書籍では、読者の目を引く工夫に関して重要な点が数多く記されています。特に気に入っているものを一つだけ引用します。

 

もちろん、"力の行使"には、それ相応の反発を伴う。しかし、反発が恐ろしいくらいなら、文章など書かないことだ。

古賀 史健, 第2講 構成は「眼」で考える,  「20歳の自分に受けさせたい文章講義」, 講談社, 2012, 99.

 自分もよくやってしまうのですが、「結局この文章何が言いたいの?」っていう文章ありますよね。それは、主張があいまいだからです。強い主張であればあるほど、反発も強くなります。それと同時に、読者からすると何を言っているんだ?と興味を引くのです。しっかり主張することはとっても大事です。

 

 もちろん、ただセンセーショナルなことを言って目を引けばよいわけではありません。主張をした際にはその根拠や事実を示して、読者を説得する必要があります。

 

推敲の重要性

 文章を書き終わると、気分が良くなってそのまま投稿したくなりますよね。本当は推敲した方が良いのはわかっているのですが、誤字脱字を最低限チェックするくらいしかやっていませんでした。

 

まず、大前提として、どんなプロであろうと書いた文章が最初から全く問題ないなどということはありません。私のような素人であればなおさらです。

 

推敲は難しいです。なぜなら自分で書いた文章は、自分は正しいと思って書いているからです。なので、あれも大事、これも大事となって文章を削ることができない。これは非常に危険なことで、主張がブレたり、話がまとまらなくなってしまいます。

 

自分の書いた文章に躊躇なくハサミを入れる勇気があってこそ、本当の推敲ができる

古賀 史健, 第4講 原稿に「ハサミ」を入れる, 「20歳の自分に受けさせたい文章講義」, 講談社, 2012, 170.

 

 

 筆者は、推敲をするためのマインドや具体的な方法を示してくれています。推敲が苦手だ、という方は是非一読をお勧めします。

 

さいごに

 今回は、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」という本を読んで、学んだことを書かせていただきました。本の紹介って、とってもむずかしいことがよくわかりました。本当に良い本なので紹介したいところが多すぎますが、あまり書きすぎるとただの要約になってしまうし、何よりこの本を読んでほしいので最小限の情報だけ書いてみました。

 

 文章を書きなれていない方は、必ず役に立つと思います。何よりこの著者の、文章を書くことは才能がなくてもできる、皆にも良い文章を書いてほしいという熱い想いが自分の心に強く響きました。自信を持ってお勧めいたします!