総合内科よわ医の貧弱ブログ

貧弱な総合内科医が好きなことを好きなように書きます。

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いくつになっても褒められると嬉しい

 

何故褒められない?

 皆さんは最近誰かから褒められたことがあるだろうか?私は、ほとんどない。これは、残念ながら、本当に自分に褒めるところがないからとも考えられるのだが、そうでないと信じている。

 

 その根拠として、"褒める"というワードで検索をかけてみると出てくる出てくる、効果的な褒め方!とか心を動かす褒めのテクニック、とやらが。どうやら多くの人が、人を褒めるということに頭を悩ませているらしい。

 

 小さい頃は、褒めることに頭を悩ますことなんてなかった。すごいと思えば、正直にすごいと言っていた。それがいつからか、褒めるということができなくなってきた。それはなぜだろう?

 

 理由として3つあると考えた。

 

  • 褒めに対する敷居
  • 褒めに対する閾値
  • 卑屈なマインド

1つずつ説明していきたい。

 

褒めに対する敷居

 要は、褒めに対する敷居を上げすぎということである。冒頭でも話をした通り、現在褒めるということに関して、様々な情報やテクニックがあふれている。そして、皮肉にもこういうものを読めば読むほど、褒めることが難しくなるのではないかと思っている。

 

 まず、読んでいくと、褒めることそのものが大層なことのような気がしてくるのだ。ここで、こんな褒めをかませば、一発で人間関係が好転するぜ!のような。これに関しては、私のような非モテ男性は耳が痛いのではないだろうか?

 

研修医時代にモテる奴に聞いてみたことがある。どんな考えで女の子を褒めているのか?と。帰ってきた答えは「特に何も考えていない」、だったのだ。そいつが言うには、まず男と女で分けて考えている私が嫌らしいと。ごもっともな指摘である。そして、お互いに気持ちよく接したいから、結果的に褒めるような言葉が出てくるだけであると。私はぐうの音も出なかった。こいつには勝てねえな、と思った。

 

褒めに対する閾値

 これは、まじめな人ほどこの傾向があると思っている。自分がすごい!と思えるようなことでないと絶対に褒めない、ということである。何かを頑張った、成し遂げた、というのは個人差が激しい。

 

 もちろん、プロフェッショナルな環境であれば結果がすべてなので、評価が厳しくなるのはやむを得ないだろう。しかしながら、そうでないのであれば、結果だけでなく過程を見てあげるとか、同じ目線に立って物事を見てあげる姿勢が必要になるだろう。

 

卑屈なマインド

 これは、私のような人間があの人を褒めてもうれしくないだろうな、という考えである。このような考え方に関しては、これだけで記事が1本かけそうなのでこれ以上は敢えて割愛させていただく。

 

深く考えなくてよいのでは

 ということで、理由を3つほど挙げさせていただいた。共通しているのは、どれも本当にくだらない、ということだ。そして、他人のことでなくて自分のことばかり考えているということも言えるだろう。

 

 改めて思うが、やっぱり褒められると嬉しいのだ。四の五の言わずに褒めたいと思ったら褒めればよい。

 

 ただし、セクハラまがいの褒め方であったり、そもそもほとんど人間関係が構築されていないのに対面で褒めるとかはダメですよ。自分の何を知っているのだ?と思われてしまうから。

 

粋な褒め方

 最後に、今回久々に褒められてうれしかったエピソードを書いて終わりにしたい。 今の職場では、定期的に大物 (重症患者)を引き当てるということが続いている。

 

あーまた来てしまったか、と思い尊敬している上司に愚痴交じりに言ったのだ。

「また大変そうな患者が来ちゃいましたよ、どうなってんですかねー」

 

それに対する上司の返答は

「自分のレベルが上がってくると、じゃあこれはいけるかな?というように試されるようにできているんだよ。だから、仕方ないんだよねー」

 

 聞いた直後は、そんなものかーと思って受け流してしまった。帰宅途中に歩きながら、あれはどういう意味であったのだろうかと考えた。そうか、これは「お前も少しはレベルが上がってきてるから、そのような経験をするんだよ。がんばれよ」というメッセージだったのか!と解釈した。

 

 おめでたい解釈かもしれないが、もし私の解釈があっているとしたら、マジでかっこいい褒め方だなと思った。さりげなく褒めつつ、労いも含んでいる。こんな褒め方ができる人間になりたいと思った。

 

さいごに

 褒める、ということについて独断と偏見で書かせていただいた。私を含め、もっともーっと他人を褒めてもいいよね。どうせそう思ったって、大して褒めることなんて今後もきっとできないだろうし。ということで、私を褒めたいと思った方がいたら、ぜひ褒めていただきたいですね。なんちゃって。