総合内科よわ医の貧弱ブログ

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後悔について考える ~映画 バタフライ・エフェクトを通じて~

はじめに

 皆さんには人生の応援歌というものがありますか?私はあります。OasisというバンドのStop Crying Your Heart Outという曲です。Oasisは既に解散してしまったバンドではありますが、多くの名曲を残しUKロック史上最強バンドの一つであると思います。

 

そんなOasisのStop Crying Your Heart Outという曲なのですが、これは映画バタフライ・エフェクトという2004年に公開されたアメリカ映画の主題歌でした。この映画はいわゆるタイムリープもので、テーマとしては結構使い古されたものなのですが、私の人生の中では最も感動した映画の一つです。

 

今回はこれらの映画や音楽に触れつつ、「後悔」ということについて自分の考えていることを書いてみたいと思います。

 

後悔まみれの人生

 人生を振り返ってみると、私の人生は本当に後悔だらけです。多くは些細なことですが、今になってもたまに思い出してしまう後悔もあります。友人にひどいことを言ってしまい、そのまま今に至るまで疎遠になってしまった、好きだった人に好きだと伝えられなかった、、など、今となっては取り返しがつかないことですね。

 

 私なんかまだマシな方で、もっと重い後悔を抱えて生きていらっしゃる方もいることでしょう。後悔を抱えながら生きるって、とってもつらいです。よく「過去は変えられないから、未来を見て生きよう」みたいなことが言われますが、本当にそうなんでしょうか?

 

 バタフライ・エフェクトという映画は、その不可能である過去を変えることが可能な人物が主人公の映画なのです。

 

バタフライ・エフェクト

 

 

 映画バタフライ・エフェクトでは、主人公である青年が、幼馴染である女性と再会した際に自分の幼少期の行いによって彼女が不幸な人生を送っていることを知ってしまいます。彼には特殊な能力がありました。彼は自分のつけている日記を読むことで、その日記が書かれた時代にタイムリープすることができるのです。

 

 主人公は過去に戻って彼女を救うことを決意します。過去で、彼女が不幸になったと思われる原因を除去することで、彼女の人生を変えようとしたのです。

 

 タイムリープの果てに

 さて、タイムリープをすることで彼女は幸せになることができたのでしょうか?答えは、NOです。幸せになるどころか、ますます不幸になっていくのです。この映画のタイトルであるバタフライ・エフェクトとは、一見些細に思える出来事が、大きな変動をもたらす、という意味であるようです。

 

 彼女を幸せにするために行ったことは、些細なことだったかもしれません。ですが、その些細なことが結局は彼女だけでなく、主人公の人生を大きく狂わせていったのです。ますます深い後悔に陥っていく主人公。

 

そして、主人公は最終的にどのような行動をとったのか?それがこの映画の最大の見せ場であると思うのです。興味のある方は、是非映画をご覧になってみてください。

 

過去という「事実」を変えられたとしても、後悔は消えない

 映画バタフライ・エフェクトを見て思ったこと、それはもし仮に自分が主人公と同様に過去を変える能力があったとしても、やはり同じように結局は新たな後悔が生まれるだけだろうなということです。

 

 最近は、強いメンタルが欲しい、と思う人が増えているようです。そのような書籍も散見されます。いわゆるメンタルが強い人の考えとして、「そもそも後悔などというものは存在しない」というものがあります。

 

これは、何か失敗をしたときに、それを失敗ととらえるから後悔をするだけなのだ、というのです。失敗は成功のための通過点でしかない、エジソンやリンカーンを見てみろよ、あきらめずにやり続けることさえできれば怖いものはないぜ!と。

 

 私は、この考えを否定するつもりはありませんし、むしろこのように考えられたら、と思うところもあります。ですが、私には少し受け入れがたいのです。「そんなこと言ったって、それでも後悔してしまうんだよ」と言いたい。

 

私は、後悔は避けようと思っても避けられないものであると思いますし、それでよいのではないかと思っています。

 

過去だって未来だって変えられる

 じゃあなんだ、お前は後悔することは避けられないからあきらめて生きろっていうのか!?という声が聞こえてきそうです。もちろんそう考えてはいません。

 

 確かに、過去という事実そのものは変えられません。そして上記の通り、私は仮に変えることができたとしても意味はないと思います。ですが、過去に対する「解釈」を変えることはできます

 

 あの時、失敗をしてしまった、間違えたことをした、、そこで止まってしまってはいけない。前を向いて、今を精一杯生きることで、冷静に過去を振り返ることができる。

そして、昔の自分を許すことができて初めて過去への解釈が変わり、最終的に昇華されるのではないか。キレイごとかもしれませんが、そう思うのです。

 

すごく簡単なことのように書いてしまいましたが、これを実際に行うことは難しい。他人であれ自分であれ、この「許す」という行為は人が行う事の中でも最も難しいものの一つだからです。時間だって相当かかります。それでも繰り返しになりますが、過去にとどまらずに前を向いて、精一杯生きるしかない。そしてそれが未来へとつながっていくのではないでしょうか。

 

Stop Crying Your Heart Out

 偉そうに書いてきましたが、実際の自分は現在の失敗でへこみ、過去の失敗を思い出し悔やむことが少なくありません。どうしようもなくつらくなった時に、バタフライ・エフェクトの主題歌であるStop Crying Your Heart Outを聴きます。

 

'Cause all of the stars
Are fading away
Just try not to worry
You'll see them someday
Take what you need
And be on your way
And stop crying your heart out

Oasis. (2002.) Stop Crying Your Heart Out [Song].  On Heathen Chemistry. 

Big Brother Recordings.

 

 歌詞の一部を引用させていただきました。どんなに不安になっても、今できることをやるんだ、そうやって生きていけばきっと大丈夫だ、という応援メッセージのように感じています。

 

さいごに

 何だか長くなった割に、月並みなことしか言っていないような。。まあいつもそうなんですけどね笑。もしも今後悔で苦しんでいる人が少しでも気が楽になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。バタフライ・エフェクトは本当に良い映画ですので、是非見てみてください。