総合内科よわ医の貧弱ブログ

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看護師にボコボコにされた話3つ 初期研修医編

はじめに

 今回は初期研修医の頃に看護師にボッコボコにされた話をしたいと思います。私は大学病院で研修を行いました。大学病院の看護師さん、もちろん全員がそうとは言いませんがおっかない人が多かった。

 

 私は仕事が決してできるわけでなくナヨナヨしておりましたので標的にされやすかったのだと思います。エピソードが多すぎて悩みましたが、特に記憶に残っている3つをご紹介します。

 

ボコボコエピソード

それではさっそく特によく覚えている3つについて書いてみたいと思います。

 

抗菌薬オーダー事件

 忘れもしない初期研修医の勤務初日、私は外科研修でした。病棟に着いて、まずは指導医の先生達に挨拶をしてから師長さんに挨拶をしました。皆さん優しそうで良い感じだ!と思った矢先、指導医の先生方は

「じゃあ俺らはオペだから、あと病棟よろしくね~」と言って去ってしまったではありませんか!

 

二年目の初期研修医の先生と仕事をすることになったのですが、いかにも怖そうな看護師から、

じゃあ先生これよろしく!と、やることリストみたいなものをドン!と渡されたのです。処方や点滴オーダー、採血、点滴の確保などがずらずら書いてありこの時点でもう軽度のパニック状態になりました。

 

じゃあよわ医君はまずはオーダーからやってみようか、後で一緒に点滴と採血もやろうと二年目の先生から声をかけていただきました。

 

術前の抗菌薬のオーダーか・・何を使えばいいんだ?というか名前すらよくわからない・・

なんて考えながらアタフタしていると、上部消化管手術はセファゾリン、下の手術はセフメタゾールで良いから!と教えていただき 無我夢中でオーダーをしたのです。

セファゾリン、セフメタゾールはいずれも非常に良く使用する抗菌薬です。分類上はセフェム系の抗菌薬です。

 

パソコンの操作自体は得意だったので、俺結構仕事早いんじゃね?なんて余裕をかましていたその時!例の看護師から呼び出されたのです。ビクビクしながら話を聞きに行くと。。

 

先生、先生のやった抗菌薬のオーダーなんだけど、粉しかオーダーされてないんだよねーこれってどうやって患者さんに投与すればいいか教えてくれる?

 

え、あ、あの、すみません。よくわかってなくて。。どういうことでしょうか?

はぁ、、だから。。

 

ここで見かねた二年目の先生が一緒にオーダー直そうか、と声をかけて下さり事なきを得ました。

 

どういうことかというと、点滴の抗菌薬は生理食塩水もしくは5%ブドウ糖で溶解しないと投与することができないのです。もちろんオーダーを間違った自分が悪いですが、勤務初日の研修医にその言い方は無いんじゃない!?と思ってしまいました。。

 

手術室で布(ATフィールド)装着事件

 これも同じく外科研修中でした。手術室で働いている看護師を我々はオペ看という呼び方をします。単刀直入に申し上げると、私オペ看が大の苦手でした。私のようにドンくさい奴はオペ看に嫌われやすいんですよね。。

 

 ある日指導医の先生と手術に入れることになった私。滅菌ガウンを着て術野に入ろうとしたその時!!オペ看から

 

あんた今お腹の辺りがそこに触れたよね!?不潔だよ!術野に入らないで。

 

いや、触れてないですけど・・

 

いや絶対に触れたから!こっち来な!

 

※医学用語における清潔、不潔は一般の意味とは異なります。不潔とは病原体の付着が否定できない状況を指します。清潔はその逆です。詳細は下のページがわかりやすいです。

 

www.kango-roo.com

 

 

そしてなんと、100cm×100cmくらいの大きな布を私の滅菌ガウンの前面に鉗子でカチャリ!と装着したのです!

 

※布はこんな感じ

8-5945-03 プロシェア滅菌ドレープ(穴無しタイプ) 900×900mm 1袋(10包入) 9090Q/B 【AXEL】 アズワン

 

言葉で伝えるのが難しくもどかしいですが、滅菌ガウンを着た状態にこのデカい布を付けた姿がまあ、滑稽というかアホくさいというか。。自分でもなんだこれは、と思いました。

 

手術室は異様な雰囲気だったのですが、この布装着イベントの後は皆笑いをこらえるのに必死な感じに。。

 

指導医の先生から「お前なにその布、ATフィールドか?」と言われてしまい、言われてみればATフィールドっぽいなと思ったのでした。。まあ、この布は八角形ではなく四角形でしたけど!

 

結局その布をつけたまま手術に入ったのですが、しばらくは外科の飲み会の鉄板ネタとなったのでした。

 

ありがとうございますネキ

 これは2年目になって大分仕事に慣れてきた頃だったと思います。細かいことは覚えていないのですが、確かオーダーを間違えたとかそんなことだったと思います。

 

担当の看護師に謝った上で、オーダーを直したことを告げたのですが。。

その後キレ気味に

「ありがとうございます!!」

 

と言ってきたのです。私はすさまじく鈍感なので、これで一件落着!と余裕をぶっこいておったのです。ところが、その後もその看護師とやりとりをするたびに

 

すいません、Aさんの点滴なのですが、、

 

ありがとうございます!

 

Bさんの内服薬なのですが、

 

ありがとうございます!!

 

Cさんの。。

 

ありがとうございます!!!

 

いや、要件伝えきれてないんだけど、、3回目くらいでさすがに鈍感な私も

あ、もしかして怒ってる?と気がつきました。

 

皆さんは何を言ってもありがとうございます!!と返される恐怖体験をしたことがありますか?きっとないでしょう。私ももう2度とごめんです。。

 

今でも何故ここまでキレていたのかはわかりません。よっぽど虫の居所が悪かったのでしょうか。。

 

看護師にボコボコにされるのは通過儀礼

 このような感じで初期研修医の頃は毎日のように多かれ少なかれボコボコにされる日々でした。ですが、今になって振り返ってみるとこのような扱いをされても仕方なかったのかなと思います。

 

 一般の方の初期研修医に対するイメージがどのようなものかあまりわかっていないのですが、はっきり言って何もできません。特に1年目の最初の頃は。

 

最近の国家試験は良い問題が多く臨床に即したものが多いとは思いますが、やはり机の上での勉強だけしていても仕事ができるようにはならないのです。スポーツでずっと本を読んでいてもうまくならないのと似ているかもしれません。

 

上記のような理不尽なボコボコはさておき、看護師からいろいろ言われることの中には重要なことも少なくないです。医師は結局のところ看護師とうまく仕事をしていかなければなりません。何か言われた際にはうるさいなーで終わらせるので無く、自分の仕事に落ち度が無かったか反省して自分の成長へとつなげる必要があります。

 

まとめ

 ボコボコにされるのはいやでしたが、初期研修医でいきなり先生と呼ばれて天狗になってしまわないようにしてくれたと考えれば良かったかもしれません。

 

いくら腕が良く知識があっても看護師とうまくコミュニケーションとれない医師は良い医師にはなれないと思います。今後も看護師には敬意を払いつつ仕事をしていきたいと思います。

 

初期研修医の皆さん、ボコボコにされても腐らずに頑張って!

二年目の先生は本当に神様です。今でも頭が上がりません笑