私は現在場末病院でなんちゃって総合内科医として勤務をしております。医者をやっているといつかは大学をやめて開業をしたり、基幹市中病院に移ったり、そして私のように場末病院へ勤務したりと選択を迫られます。なので、場末病院で勤務するメリット、デメリットについて語っていきたいと思います。ちなみに場末とは書いていますが、いわゆる療養型病院ではありません。
場末病院とは?
そもそも場末病院ってなんやねん?って話です。私が言う場末病院の定義ですが、
- 市中病院でなおかつ大学病院との関連性が乏しい
- 常勤医の年齢層がやたらと高い
- 専門研修施設でない
こんなところでしょうか。要は、若い医者がまず選択することの無い病院ですね。言ってて悲しくなってきますが。。そんな場末病院で働くメリット、デメリットを述べていきたいと思います。
場末病院で働くメリット
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めちゃくちゃ重宝される
これは予想していなかったので結構うれしかったですね。私は特に大学で秀でていたわけも無いしがないアラフォー内科医でしたが、場末病院ではメチャクチャできる医師認定されています。医療のレベルが低いので、相対的に自分のレベルが高いことになります。大学時代には上司から感謝されることなんてほとんど無かったですが、ここではそのような機会が非常に多いです。
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新たなスキルが身につく
これも予想外でした。というか大学病院に居るのだから自分はレベルの高い臨床医だという痛々しい勘違いをしていたことに気がつきました。大学病院の欠点は若手が多すぎて、成熟しきっていないにも関わらず後輩に経験をさせてあげないといけない点です。
未成熟なのに何故か成熟した医師として扱われてしまうのです。
場末病院では医者が少ないので、今までやったことの無いことを一人でやらないといけないということが多々あります。この一人で、というのが大事なんですよ!大学病院だと医師の数が多いので、どうしても緊張感が薄れてしまうんですよね。
場末病院に来たら医師としての成長が望めない、と思っているそこのあなた!そんなことは決して無いですよ。
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給料、QOLが上がる
これを期待して就職する人が多いと思います。もちろん病院によるのですが、大学時代と比較して1.5-2倍になることが多いと思います。一般的に田舎の方が給料が高いと思われていますが、調べてみると必ずしもそうではないようです。
そして、現在当直は基本的になしで、たまーにやる程度。当直は大学からのバイトがメインでやってくれています。当直なしはやはり大きいです。
場末病院で働くデメリット
もちろん良いことばかりではありません。以下は私が感じたデメリットです。
めちゃくちゃこき使われる
そこそこ使えると判断された場合、ここぞとばかりにこき使われます。まあありがたいと言えばありがたいし、仕方が無いとは思うのですが。何故これ自分がやらないといけないの?ということが少なくないです。
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最新の医療・エビデンスから遠ざかる
そもそも最新の医療をやりたい人が場末病院に来ないとは思いますが笑。やはりどんな環境であろうと医師である以上勉強しないと駄目ということですね。一例を挙げると、私が働き始めたとき昇圧剤の1st choiceはドパミンで、renal doseがーなんてことを普通にやっていました笑。笑っている場合じゃ無いですが。。
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仕事が単調
仕事、というか症例が単調です。偉い人に1例と同じ症例などないのだああ、と怒られそうですが笑。場末病院の内科=ほぼ老年科です。老人の誤嚥性肺炎、尿路感染、圧迫骨折、転院調整が本当に多い。
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専門家に相談できない
場末病院では基幹病院のようにすべての科の医師が在籍しているなんてことはありません。間質性肺炎だろうがSLEだろうが、なんでも自分で抱えなくてはいけません。自分にとってはこれは結構なストレスなので、入院の段階でできるだけ診断をするように心がけています。そしていざ他の医療機関に相談しようとしても、都会と違い基幹病院も少ないので他に振るのも面倒です。
まとめ
- 給料は大きく上がる。
- 大学や基幹病院で普通に働いていたのであれば、相当重宝される。裏を返せば、メチャクチャこき使われる。
- エビデンス?何ですかそれ。という世界!最新情報は自分で入手していかないとあっという間に浦島太郎に。
- コンサルテーション?どういう意味ですか?という世界。専門外だろうがお構いなし。そして基本的に一人でやらないといけない。プラスに考えれば、新たなスキルも入手できる。
あれ、オススメするはずがデメリットの方が多くなってしまった。すみません、嘘は苦手なもんで。まとめなのでまとめますと、、私のように大学をやめて今まで培ったてきたことを生かしたい、でも療養型はさすがにまだ早いかなー、伸ばせる部分は伸ばしたいけどきついのは苦手ってひとにはいいんじゃないかな!全然まとまってねえけど!